こちらのギターは新品でご購入当時に弦高調整をさせて頂いていますが、最近になり3弦の5~12フレットで、アタックの直後に「ビ~~ン」というビビリ音が出るようになったため、メンテナンスを承りました。


ギターは木製品ですので、気温や湿度の変化に伴い状態が変化していきます。十分にシーズニングを経た木材で製作されたギターとはいえ、少し前までは何十年も森で生きていた木でした。数十キロの弦の張力に耐えて振動することが使命になったのは、つい最近の話です。新しいギターなほど、変化する幅は大きい傾向があります。

このギターの場合は、新品時の設定よりも弦高が下がっており、ネックはわずかに捻じれが見られます。ネガティブなことに感じられるかもしれませんが、すべて調整で修正できる範囲なので全く問題はありません。無垢で無邪気な少年期を過ぎて、ちょっと扱いづらい思春期に入ったのです。


これからも季節の変わり目に何度かメンテナンスが必要になるかもしれませんし、全く手がかからずに成長することもありますが、少しずつ環境変化やプレイスタイルに馴染み、やがては個性的な魅力を持つようになります。


新品のギターを下ろして使い続ける楽しさは、ギターに起こる様々な変化を共に経験することで、強い愛着を持てることにあると思います。


相変わらず、前置きが長いことをお許し頂き、本題であるメンテの様子は駆け足の動画でご覧ください。

早送りだと、擦り合わせしている時の音が(笑)


作業前の弦高は、6弦2.1mm 1弦1.4mmとかなり低かったので、フィンガーピッカーに好まれる6弦2.3mm 1弦1.8mmに設定させて頂きました。ビビリも解消しておりますので、楽しくプレイして頂けると思います。


[作業内容]

Bメンテナンス 12,000円

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