LG-0は、1958年から60年代にかけてGibsonが生産していたスチューデントモデル(つまり初心者用ギター)です。J-45などと比べ安価であったLGシリーズの中でも最廉価のモデルです。極力装飾を排したマホガニー合板のボディ シンプルなラダーブレーシング トップにネジ止めされたピックガードやブリッジ 42mmナット幅の細めのマホガニーネック 当時は普通に使用されていたハカランダ指板など、およそ高級なギターでは考えにくいジャンクな魅力が散りばめられています。

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実は、同モデルを弟が所有しており、他にはない独自の味わいがあることは良く分かります。高速道路のサービスエリアでは、食堂のメニューよりも、ホットスナックやたこ焼き、ソフトクリームなどに惹かれてしまう。そんな感じです。


早速ギターのメンテナンスを進めていきましょう。

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まずは、フレット交換です。ノミで叩いて指板から浮かせます。

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横から見たほうが分かりやすいでしょうか。

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隙間ができたらゆっくりと引き抜きます。

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フレットをカットし、適切な長さに削ります。

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フレットが手に引っ掛からないように、エッジの形状を整えます。

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フレットを打ち込みます。

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フレットを打ち終わったら、擦り合わせて高さを揃えて完成です。


次にペグを交換します。

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オリジナルは片側3連ペグなので、故障した1個だけを交換することができません。

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Klusonから同型の3連ペグが今も販売されていますが、今回はたまたま私の所有するギターから取り外したペグがよく似合ったので、それをお譲りすることになりました。GOTOH SXB510は、オープンギヤのペグとしては最高峰の精度を誇ります。

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最後に弦高調整を行って完成です。弦高を低めに設定したいというご希望がありましたが、フレットが高くなった分だけ実質的に弦高が下がるため、ネック調整とナット溝の調整程度で弾きやすいセッティングにすることができました。


[作業内容]

フレット交換 40,000円

弦高調整 5,000円

ペグ代金

弦代金

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