039バインディングの浮き・剥がれ修理
以前、Martinのバインディング剥がれを修理する様子をご紹介させて頂いたところ、同様の問題でお困りの方からの反響が大きく、何件かご相談や修理を承りましたので、その一部を記録として残しておきたいと思います。
バインディングの剥がれには、いくつかの傾向があります。
製造された年代は関係なく、ヴィンテージでも近年の個体でも発生する。
セルロイドが大きく曲げられる、ボディのくびれ部分やショルダー部分から剥がれてくる。
OOO/OMなど小型ボディの方が、曲がる半径が小さいため、発生する確率がやや高い。
少しでも浮き上がった部分をそのままにしておくと、衣服に引っ掛けて症状を悪化させてしまう。
症状の発生自体は、素材の特性に由来する経年変化ですので、効果的な予防策はありません。しかし、知識と心得を持ってギターと付き合って頂ければ、早期発見、早期治療、修理費用の低減へとつながりますので、過剰に不安を感じることはないと思います。
[Martin / D-45]
トップ側 バック側とも、ボディ全周囲にわたりバインディングが剥がれている状態。
再接着の様子。
仕上がり。
[Martin / OMJM John Mayer]
バック側のボディくびれ部分が浮いてきており、このままでは範囲が広がっていくので、早めに手当てをさせて頂きました。
再接着の様子。
隙間は埋まりましたが、接着剤と塗料のバリが見えます。
ハンドルーターを使用してバリ取り。
仕上がり。
上記の修理工程には塗装や研磨が含まれていますが、以前ご紹介させて頂いているため割愛しております。併せてこちらの記事もご欄下さい。
作業報告024
https://www.studio-m-repair.com/ourworks/2bgn9is6wm2ktdab2kx2osah37dh6i