YAMAHAの古いアコギのリフレットを承りました。

フレットは弦と擦れ合うことで摩耗していきますので、長期的に見れば消耗品です。フレットの減りが目立ち始める初期段階では擦り合わせ(背の高いフレットを背の低いフレットに合わせて削り、高さを均一にする作業)で対応できますが、十分な高さが無くなってしまえば交換となります。


フレットの高さは弾き心地やサウンドを左右します。

高さが十分にあれば、指で弦を指板に押し付ける力をしっかりと受け止めることができます。つまり、少ない力でも綺麗に音を鳴らすことができるということです。高さが十分でなくなると、弦を受け止める(押し返す力)働きが少なくなり、綺麗に音を出すためにしっかり弦を押さえることを意識しなければなりません。その結果、早く手が疲れるようになりますし、演奏に対する集中力が削がれてしまいます。


フレットはブリッジサドルとともに弦振動の両端の支点となります。消耗して頂点が削れていくと、徐々に明瞭に発音ができなくなっていきます。ある意味では「新品の角のある音から、弾き込んでこなれた音になった」と感じられる一因でもあるため、必ずしも否定される部分ではありません。フレットを交換すると、演奏性とともにサウンドも若返り、メリハリのある響きを実感されるはずです。

弊社では、1本2,000円から必要な本数の交換を提案させて頂いております。

例えば、アコギをローフレットでコード弾きされる頻度が高い方であれば、1~7フレットくらいまでの交換で十分な場合が多く、指板上をまんべんなくプレイされる方であれば、全フレット交換をお勧めいたします。


また、通常はフレット交換とナット交換はセットで考えます。

フレットが高くなった分だけナットも高くしないと、開放弦でビビリが出てしまうためです。

今回は作業の様子をダイジェストで動画にしてみました。


[作業内容]

フレット交換 1~10フレット 2,000円×10本

ナット製作 牛骨 7,000円

その他、必要に応じて弦高調整などを同時におこないます。

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