032古より伝わりしナットのチューンナップ法
チューニングしようとペグを回すと、弦が「キーン」とか「ピキッ」「ギギギ…」などと鳴ることがあります。これは、ナット溝の内側に何らかの引っ掛かりがあり、弦が詰まっている状態です。ペグを回して弦を巻きあげたり緩めたりしても、ナット溝の中を弦がスムーズに移動できていないことを意味します。そのような症状のまま使い続けても、チューニングは安定しませんし、弦が切れやすくもあります。
また、特に問題が起こっていないナットであっても、以下にご詳細する作業を予防的に行って頂くことで、さらにチューニングの精度が高めることも期待できます。変則チューニングを多用するアコースティック・ソリストや、トレモロアームを使用するエレキギターには特にお勧めです。
とても簡単な作業ですので、すぐに試してみてください。
[用意するもの]
・800番~1000番程度の紙やすり
・ハサミ、ナイフ等
・鉛筆
[作業手順]
紙やすりを適当なサイズにカットする。
弦を緩めてナットから外す。
紙やすりを折り曲げて、溝の内側を磨く。
鉛筆の先をナイフで細く削り、溝の内側を塗る。
弦を戻して終了。
蛇足ですが…
シャープペンシルよりも鉛筆をお勧めします。鉛筆をナイフで削ったほうが、先端をより尖らせることができ、細い弦の溝にも塗りやすいです。
私は譜面書きに4Bの鉛筆を使用するので、短くなったものをナット塗りに再利用しています。濃いほうがしっかり定着しそうで、効果が高いような気がしますが、この点は全く根拠はありません。一般にあまり使わない濃さでしょうから、文房具店では三菱ユニかステッドラーが見つけやすい銘柄だと思います。愛用のギターが国産なら三菱ユニ、輸入ブランドならステッドラーを合わせてみるのはいかがでしょうか?(多分、トンボの2Bでも何も変わらないと思います。)