フレットは、ブリッジサドルと同様に弦振動を支えるもう一方の支点です。サウンドに影響を与えるばかりか、プレイアビリティにも大きく関与します。

 

普段から弾かれているギターであれば、弦がフレットに擦れて表面を磨いている状態となるため問題はありません。しかし、しばらく弾いていないギターでは問題になる場合があります。まずは、フレットの輝きがなく曇った灰色になり、サビが生じることもあります。そのまま弾くのは気分が悪く、ビブラートをすると弦と擦れ合うザラザラとした感触が左手指に伝わり、ザラザラはノイズとしてサウンドにも現れます。

 

今回メンテナンスさせて頂いたギターのように、ローポジションでコードを弾かれるようなプレイスタイルの場合、使う機会がないハイポジションのフレットだけが錆びていることも珍しくありません。また、弦を外してよく観察すると、指板にも皮脂やホコリが付着した汚れが固着しています。

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フレットの磨き出し、指板に付いた皮脂などの汚れを落とし、オイルアップして仕上げます。

フレットが輝いていると、オーナーのギターに対する愛着の深さが伝わります。なによりステージ照明に映えますし、良いギターがより良く感じられます。細かい部分ですが、身だしなみとしてこだわりたいところです。

 

このようなクリーニング作業はAメンテナンスに含まれています。

弦交換を依頼されるついでに承ることもできます。

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002ブリッジサドルの加工精度