アコースティックギターは、弦振動を大きく響かせて出力することが目的ですが、大きな振動を受けてもガタつかず、不要な音を発さないことも同じくらい重要です。

ギターと同じように音を扱うオーディオ機器や、正確な振動が精度となる機械式時計、振動の処理が走りや快適性を左右する自動車なども、振動を生み出して制御する製品という意味では、似たところがあると思います。


ギターに関してビビリといえば、主には振動中の弦がフレットに触れて発する音のことを指しますが、それ以外にも振動が原因で生じる異音があります。

ペグの組み付けの緩み、ネジやワッシャー類の緩み、電装系のパーツや配線の揺れ、ブレーシングの浮きや剥がれなどがその例です。

弦の振動がネックやボディを伝わり、どこかからともなく発した異音が、せっかくのギターサウンドを濁してしまうと、プレイに集中することができずストレスを感じます。

今回のご相談内容は、6弦を弾いたときにボディからビリビリと音が聴こえるというものでした。店舗にお持ち頂ける場合は、その場で症状を確認させて頂くことができますが、遠方のお客様の場合には、ギターをお送り頂いた後にも症状の再現性があるかどうかが肝になります。

ご相談を頂く際には、お客様のほうで「何弦の何フレットを、どのように弾いたときに、どのような異音が出る。」という件証を十分にして頂き、できるだけ詳細にお伝え頂けることが、症状を解消する助けになります。症状の様子を動画で送って頂くのも良い方法です。

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