Paul Reed Smith/Silver Skyが発表された当初は衝撃でしたね。全てのギタープレイヤーが「F社のス○ラトじゃん…」と思ったはずです。しかし、PRSとJohn Mayerは、そんなことを百も承知でリリースしているわけですから、既存のギターとは異なる新しい価値の提案があって当然なはず。メーカーからじっくり弾かせて頂く機会を頂き、初めて実機に触れた時に、彼らの意図を理解することができました。


出荷状態のSilver Skyは、John Mayer本人がプレイしているものと同じセッティングにされているらしく、トレモロスプリングが強く張られておりボディべた付けです。せっかく性能の良いトレモロが付いているので、使えるようにセッティングしたいと考える方も多いと思います。


今回はトレモロを使えるようにすると共に、弦高も低めの設定に改めるように作業を進めていきます。

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作業前の弦高は 6弦2.1mm/1弦1.8mm とかなり高め。ネックの反りはなく綺麗にストレートなので、ナットとサドルの高さ調整で弦高を決めていきます。

まずはトレモロユニットの可動範囲(フローティング量)を決めていきます。ここは各自の好みですが、私のおすすめは、「3弦の開放(G音)を弾き、アームアップすると全音上がり(A音)になる」というセッティングです。チョーキングと同じ感覚でアームアップができるので、コントロールしやすいと思います。

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トレモロスプリングは、黒線まで絞め込まれていましたが、赤線の位置まで緩めました。

次にサドルの高さ調整を行います。チョーキングしても音詰まりがない事を確認しながら高さを下げていきます。このモデルの指板Rは7.25インチなので、各弦のサドルの並びはそれほど大きな弧を描きません。

オクターブピッチの調整へと進みます。フローティングして弦高を下げた結果、サドル全体がわずかに後退しました。

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作業後の弦高は 6弦1.8mm/1弦1.5mmに設定しました。音詰まり無くスムーズな運指ができるようになったと思います。

[作業内容]

Aメンテナンス 7,000円

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030Bメンテナンス(Gibson/Les Paul Standard 1958 Reissue)

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