Gibson Custom Shop Standard Historic 1958 Les Paul Standardの弦高調整を承りました。Historicシリーズは、ネーミングや仕様の変遷が結構ややこしく、熱心なファンでないと混乱してしまいます。そんな中でも、しっかりとした握りごたえのあるネックを持つ1958年製を再現したモデルは、個人的には一番好みなのです。


お持ち頂いた時点では弦高が高めで、ちょっと本来のサウンドが出せていない様子でしたので、ストレスなく弾いて頂けるように仕上げてお渡ししたいと思います。


それでは、作業前のギターの状態をチェックしていきましょう。

ネックがやや順反りしており、弦高は12フレット上で6弦2.6mm/1弦2.2mmとかなり高め(アコースティックギター並み)です。

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トラスロッドを調整して順反りを補正します。レンチを2時の位置に差して、12時の位置まで約30度締めたところでストレートになりました。トラスロッドが効きすぎてお釣りが出るといけないので、このまま一晩置きます。

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翌日、弦高は6弦2.0mm/1弦1.7mmに下がっていました。

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まだ弦高を下げる余地はあるので、ブリッジを約0.6mm下げました。併せて弦とピックアップとの距離も調整します。

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ナット溝の切り込みを行い、ローフレットでの押弦のしやすさや、指板上全体の弦高のバランスを取ります。

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最終的な弦高は、6弦1.7mm/1弦1.4mmに設定しました。

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12フレット以上でやや音詰まりするポジションがあったので、軽くフレットの擦り合わせを行い、指板をきれいに磨いたら完成です。


搭載されているピックアップの出力が控えめな分、木材由来の響きをしっかりと感じ取ることができ、温かみとキレの良さを併せ持ったサウンドが得られます。お預かりしたギターにも拘らず、仕事を忘れてしばらく弾いてしまいました…

[作業内容]

Bメンテナンス 12,000円

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