036ピックアップの取り付け(L.R.Baggs / Lyric)

L.R.Baggs / Lyricは、古くからレコーディングスタジオで行われているマイク録りの手法を、ギターに内蔵できる形にまとめた、明解なコンセプトのピックアップです。


マイク録りのギターサウンドの素晴らしさは説明不要だと思いますが、「マイクの前から少しも動けない」「ハウリングしやすい」という問題から、ライブステージには不向きなものでした。これまでのギターリストは、スタジオで収録された音と、ライブの音は別モノと割り切る必要がありました。


ギターリストの多くが抱いていた積年のジレンマは、Lyricの登場によりかなりクリアされたように思います。


Lyricは、単一のマイクとして十分なゲインを持ちながら、極めてハウリングに強いという、実現するには相当ハードルの高いコンデンサーマイクを核にしています。ボディ内で複雑に反響して生み出されたギターサウンドは、ブリッジの真裏に位置しているマイクでキャッチされプリアンプへ送られます。プリアンプでは、レスポンス向上のため低音域が適度に引き締められ、柔らかい音色に整えられてアウトプットされます。任意に設定できるプレセンスコントロールは、そのギター本来の音色に近づけるように、全体の明るさを調整することができます。プレイ中に手元で操作できるのはボリュームのみとシンプルです。


愛用するギターの生音を、足し引きなくそのままステージで再現したいなら、選択肢の筆頭に上がるピックアップになるだろうと思います。


ギターへの取り付け加工は最小限で、エンドピン穴を12mmに拡大するだけです。事前にご来店予定をお伝え頂ければ、即日取り付けてお持ち帰り頂くことも可能です。


取り付けをご依頼頂いたギターは、1979年製 Martin / HD-28です。ギターサウンドのベンチマークとして、皆さまがイメージしやすいモデルですので、生音とピックアップの音を比較するサンプルとして適切だと思います。


試奏で使用しているアンプは、ACUS / Oneforstrings 8です。イコライザーによる補正はせずにノブは全て12時位置、リバーブもOFFのセッティングです。

ピックアップ搭載にご興味がございましたら、ご相談をお待ち致しております。

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