142弦高を下げつつ音詰まりも解消します(Fender / Telecaster Thinline)

ギターに何らかの不具合があるとき、的確に原因を見つけて、最小限で正しく対処するのが理想的なメンテナンスの道筋です。逆に、原因を見誤ってしまうと、正しい方向に進むことができないばかりか、引き返すことも難しくなるなど、迷宮から逃れられない事態に陥ることも珍しくありません。

今回お預かりしたギターからもそんな印象を受けました。

「弦高が高いのにハイポジションでは音が詰まるのを改善したい」というご依頼です。

ギターを拝見しますと、弦高が高い原因はネックが大きく順反りしているせいでしたので、本来それをストレートにしてからサドルを調整すべきですが、先にサドルを低くして弦高を下げようとすれば、直ちにハイポジションの音詰まりが現れます。

とはいえ、ネックがどのような状態にあるのかを判断するのは難しく、確証を持てないままトラスロッドを調整するのを不安に感じるお気持ちは良くわかります。

よほどグルグル回さない限りは壊れるものではありませんから、ご自身の経験としてトラスロッドの調整に挑戦して頂くのも良いと思います。事前にある程度状況をお伝え頂ければ、アドバイス差し上げることもできますので、遠慮なくご相談ください。


調整前の弦高は、6弦2.2mm/1弦1.9mmと高めです。

トラスロッドを120度ほど締めました。一度の調整で回す量としてはやや大きな方なので、それくらい順反りだったということです。

ネック調整後の弦高が低くなり過ぎています。このままでは音が詰まりますので、サドルの高さを上げて調整します。

詰まりが無くなるところまでサドルを上げます。

つぎに、オクターブ調整をおこないます。

調整前後のサドルの様子です。

サドルの高さを変更したので、ピックアップの高さも調整します。

フレットの高さのばらつきを整えて、さらに音詰まり感のないクリアな出音を目指します。

調整後の弦高は、6弦1.7mm/1弦1.4mmまで下げられました。

チョーキングしても音詰まりせず、しっかりと弾き易さを感じて頂けるセッティングに仕上がりました。今後は気持ちよくプレイして頂けると思います。


[作業内容]

Bメンテナンス 13,000円

弦代金

Previous
Previous

143出音のバランスと響きを改善(Taylor / Leo Kottke Signature Model)

Next
Next

141ブリッジ剥がれの修理(Gibson / J-50)