こちらのFender Stratocasterですが、弦高をある程度まで低くすると音詰まりが生じるポジションが現れてきました。部分的なフレットの消耗でしたので、交換する必要は無いと判断して、擦り合わせでの改善を目指します。

作業を進める前に、指板の全面とネックに近いボディにマスキングをして、作業中のキズ付きを防ぎます。

works 021-2.jpg

フレットの減りをチェックしてみましょう。1~8フレットくらいまで平均的によく弾かれており、ところどころフレットに凹みが見られます。

works 021-3.jpg

フレットの上面を油性ペンで黒く塗ります。

works 021-4.jpg

金やすりでフレットを削っていきます。高さがある部分が削れて、凹みにペンの色が残りますので、高さが均一になっているかを視覚的に確認しながら作業を進められます。

works 021-5.jpg

別角度から見てみると分かりやすいです。

works 021-6.jpg

そのまま凹みが無くなるまで削っていきます。

works 021-7.jpg

やすりの番手を細かくしていきながら、フレットの形状を整えます。

works 021-8.jpg

スチールウールでフレットを磨き上げて、マスキングを剥がしたら終了です。

works 021-9.jpg

目指した通りに、低めの弦高でも音詰まりのない、クリアなサウンドが得られるようになりました。


このギターは、ミディアムジャンボフレットが使用されているので、擦り合わせした後でも十分な高さがあります。プレイスタイルによりフレットの高さの好みは変わりますが、まだこの状態であれば数年は弾いて頂けるでしょう。

Previous
Previous

022ジャンクからのリプロダクション(Gibson L-5)

Next
Next

020Guild D-55の大リフレッシュ工事