061トレモロユニットの本気の実力(Fender / Stratocaster)
シンクロナイズドトレモロは、1954年に登場したFender / Stratocaster に搭載されていました。弦をピッキングしながらトレモロアームを操作することで、音程に揺らぎを加えることができます。
簡単に言えば、弦を緩めたり張ったりを繰り返すものであるため、どうしてもチューニングの狂いが生じてしまいます。それを嫌って使わないという方も多いですし、弱点をカバーした様々な改良版トレモロユニットも存在しています。
では、ヴィンテージスペックのシンクロナイズドトレモロは使い物にならないのか?
いいえ。20世紀を代表する天才Leo Fenderが、そんな中途半端なものを世に送り出すはずがありません。
本気でチューンアップすれば、かなり実用性の高いものになるということをお伝えしたいと思います。
作業させて頂く実機の状態を見ていきましょう。
トレモロユニットはボディに沿って密着した状態です。
スプリングのかけ方をハの字に変更すると共に、テンションも緩めます。
トレモロユニット後端がボディから浮き上がる、フローティングというセッティングです。ホコリを払い、可動部位にほんの少し注油しておきます。
続いて、ナットの調整に移ります。やや高めでしたので少し削りました。
奥の5弦と比べて、溝を削った手前の6弦が低いことがお分かり頂けるでしょうか?
ナット溝の内側をツルツルに磨き上げ、潤滑剤としてBig Bends Nut Sauce を塗布しました。(鉛筆を塗り込むでもOKです)
弦高を下げても音詰まりしにくいように、ハイフレットを中心に軽く擦り合わせを行いました。
さて、トレモロユニットの動作チェックを兼ねて動画を撮ってみましたので、仕上がりのほどをご覧ください。
[作業内容]
Bメンテナンス 12,000円
弦代金