126 劣化した塗装の剥離&再塗装 前編(Taylor / 815CE)
今回から3回にわたり塗装のリペアをご紹介いたします。
お預かりしたのはTaylorのギターですが、各所の塗装が剥離して細かな白斑が現れています。実用面だけで言えば問題ないのかもしれませんが、気になりだしたら気持ち良いものではありません。また、長期的に見れば症状は悪化する一方ですので、早めに対処して頂く方が良いと思います。
このような塗装トラブルの主な原因には、木材に含まれる油分の影響が考えられます。特にギターに多用されるローズウッドという木材は多くの油分を含んでおり、油分が表に出てくると塗装の密着を妨げてしまいます。粒状に白斑が現れたり、広い面積が白濁したりというのが主な症状です。
ギターの様子を見ると、ローズウッドを使用するボディのサイドバックやヘッドの正面などに剥離が目立ちます。その他にも、マホガニーを使用するヘッドの裏側にも症状が出ているので、ローズウッドの油分だけの問題ではないようです。元々の下地処理が十分でなかったのかもしれません。
早速ギターを分解して、古い塗装を落としていきましょう。