057サドル高を得るためのブリッジ削り(YAMAHA / FG-180)

例えばこのYAMAHA / FG-180などのような古い国産ギターでは、元々ネックのジョイント角度が浅いために、現代の私たちが求めるような低い弦高を得ることが難しいものがあります。

弦高を下げるためにはサドルを削りますが、あまり削り過ぎるとブリッジ上面との落差が無くなり、サドルからブリッジピンに向けて弦が折れ曲がる角度が浅くなってしまいます。

この角度が浅いと、弦をサドルに押し付ける力が弱くなり、弦振動を効率よくトップに伝えることができなくなります。さらに、強くピッキングした際に、弦がサドル上で跳ねてしまうことで、ビビリ音となってしまう事もあります。

これを改善するためには、ブリッジの上面を削って、サドルの高さを稼ぐ方法が有効です。

簡単な図で説明します。

works 057-2-1600px.jpg

実際に作業前後のサドルの高さはこのようになります。

works 057-3-1600px.jpg


オールドギターを愛好される方の中には、オリジナルコンディションであることを優先するため、ギターのパーツを削ることに否定的なご意見もあることは承知しています。何も手を加えずにベストな状態であるなら、それに越したことはありません。しかし現実には、弾きにくい弦高であったり、本来のサウンドを発揮できない状態のギターが多数あり、ストレスを感じてまでプレイすることが正しい在り方だとは思いません。ギターの価値が、弾き心地やサウンドにあると考えるなら、その価値を高める方法としてお勧めできます。



[作業内容]

ブリッジ削り 5,000円

ガイド溝掘りは別途料金となります。

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