YAMAHA / REVSTARシリーズは、SGやPACIFICAに次ぐ同社の定番エレキギターとなるべく2015年に登場し、新技術を搭載して2022年にラインナップが刷新されました。

ナチュラルな響きと最適な重量バランスを求めて、ボディ内部にいくつもの空洞が設けられたチェンバードボディや、剛性や伝達効率をアップさせるためネックに仕込まれたカーボン素材。新たなギミックでサウンドバリエーションを増やした回路など、開発にかなり注力されたことが伺えるギターです。

確かに、見た目よりもずっと軽量で扱いやすく、弾いてみてもレゾナンスやレスポンスの良さを感じられ、とても好感を持ちました。ハムバッカーやP-90が載ったギターを予算10万円でお探しなら、REVSTAR STANDARDがお勧めです。


ギターをお持ち頂いたご本人様曰く、「素性は良いのだけれど、細かく見ていくと所々に不満点が見つかってしまうのは、台湾製だからなのか?」とのこと。

上位モデルの日本製の方を見たことが無いので確かなことは言えませんが、調整次第で上位モデルに勝るとも劣らないレベルにできそうな気がしました。

早速、細部を見ながら作業を進めていきましょう。

作業前の状態は、ネックが軽く順反りしており、12フレット上の弦高は6弦2.0mm 1弦1.6mm でした。

トラスロッドを30度くらい締めました。

ネックがストレートになった分、弦高が下がったのがわかります。

ブリッジの高さ調整をします。

サドルを前後させてオクターブピッチを合わせます。

サドルの並びがこのようになりました。

調整後の弦高は6弦1.7mm 1弦1.4mm です。

この弦高でも音詰まりしないように、フレットの高さを揃える擦り合わせを行います。

フレットの端が引っ掛かる感じが気にあるとのご意見でしたので、フレットの角をわずかに内側に寄せて削りました。滑らかに運指できるようになりました。

ナットを交換します。

6弦と3弦の溝を拡大して観察すると、おそらく溝を深く切り過ぎたのを接着剤のようなもので埋めた痕跡があります。しっかり硬化する前に弦を置いたのでしょう、6弦の巻き線の痕までしっかり付いてしまっています。当然これではチューニングが安定しません。

ナットを外すとこんな感じです。

新しいナットを取り付ける前に接着面を綺麗に整えます。

未漂白の牛骨を使用したナットを製作いたしました。

新しいギターは、しばらく使っているとペグの取り付けナットが緩んでくることが多いので、弦交換の際には一度増し締めされることをお勧めします。

低い弦高でも音詰まりせず、引っ掛かりのない滑らかな運指ができるようになったと喜んで頂けました。狙い通りにワンランク上の快適な弾き心地にできたと思います。

[作業内容]

Bメンテナンス 13,000円

ナット製作 10,000円

弦代金

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