137 L.R.Baggs HiFi を取り付ける(Furch / Rainbow OOM-CR)

ギター屋の使命の一つとして、「興味がある新製品をいち早く試して、自信をもってお客様にお勧めできるかを判断する」というのがあると思います。

例えば、ギターのピックアップは、ギターに取り付けないと音が聴けませんし、しばらく使い続けるうちに特性を把握できて、ライブなどでも使ってみないと真価がわかりません。ですから、お客様からのご相談にお答えする以上、できるだけ多くの種類を試すよう心掛けています。


2023年にL.R.Baggsから新しいコンタクトピエゾピックアップ HiFi が発売されました。

(先にお伝えしておきますが、発売してすぐに取り付けてチェックをしたのですが、そのことを記事にするのをすっかり忘れて1年くらい経ってしまったので、今や全く新鮮さのない情報になります。)

すでに同社には iBeam という同タイプのピックアップがあるので、これと比較するかたちで話を進めます。

はじめに気付くことは、ハウリング耐性が大幅に向上していることです。

ハウリングに強ければ感度を高めてダイナミックレンジが大きくできるので、小さく繊細な音からパワフルなストローク弾きまで、ギターサウンドを余すことなく出力できます。大音量を得られるに越したことはありません。

次に好感を得たのは、情報が整理されたナチュラルな音色です。

しっかりと奥行き感や太さがありながらも、ボワついたりモタる感じがないスッキリした低音。ヌケの良さはありながらも、耳障りな硬さは抑えられた艶っぽい高音。全帯域がバランスよく出力されており、カポタスト装着時やダウンチューニングなどでもバランスを崩しません。

また、エフェクトとの相性の良さもあると思います。

これまでベストだと思っていた Lyric は、コンデンサーマイクらしくエアー感丸出しのナチュラルサウンドでしたので、空間的な演出をエフェクトで付加するのがちょっと似合わない感じがありました。その点 HiFi はダイレクトな貼り付け型らしく適度なタイトさがあるため、エフェクト乗りが良く感じます。


間もなく発売される、HiFi DUET は、コンデンサーマイクが追加されてブレンドできるタイプです。これもよさそうですね~

動画後半にサウンドサンプルも録ったのですが、すでに公式やプロアマ問わず多くの音源が出ていますのでカットしました。

HiFiをご検討されている方の後押しになれば幸いです。

Previous
Previous

138 演奏性とサウンド向上のための総合メンテナンス(Martin / D-45SQ)

Next
Next

136 前回につづき弦高調整とペグ交換(Martin / OOO28EC)