Paul Reed Smith Custom24のAメンテナンスを承りました。このギターはしばらく弾いておらず、久しぶりにチューニングをしてみたら、ビビって音が出なくなっていたとのことです。

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とりあえずチューニングをして弦高をチェックしてみます。開放弦でもビビリがありネックは大きく逆反りしています。12フレット上で1mmもありませんでした。不使用の期間中は弦を緩められていたとのことで、逆反りするのが自然な結果だと思います。

チューニングをすれば弦の張力によってネックはある程度戻ってきますので、それを考慮しながらトラスロッド調整を行います。この段階で指板をクリーニングして新しい弦へ交換しました。ついでにトレモロユニットなど細かい部分は刷毛で掃除します。ネックの動きが収まって、新しい弦が伸びて安定するまで、このまま数日置きます。

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弦高は2.2mmくらいまで上がりました。ネックはほぼストレートに戻ったので微調整をして、次はブリッジ側の調整へと移ります。

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サドルの高さ調整を行った前後での比較です。調整前の各サドルがすこし傾いているのが分かると思います。ただ傾いているだけでなく、中にはサドルの高さを調整するイモネジの片方が浮いているものもありました。片足立ちでは音の伝達に影響が出てしまいますので、しっかり両足で立つように適正な高さに調整します。この段階では大まかに高さを下げますが、後の工程で再調整します。

オクターブピッチ調整を行います。全体的にかなりシャープしていたので、調整後のサドルは後退しています。

トレモロのフローティングを調整します。調整前はボディとトレモロユニットとの隙間がほぼ無く、アームアップはできない状態です。お勧めは動画のように、アームアップした際に3弦の開放が全音上がる(G→A)になるセッティングです。トレモロアームの高さも、ピッキングしながら握りやすい位置になります。

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トレモロのセッティングが決まったら、再度サドルの高さを微調整してから最終的な弦高をチェックします。

今回は、使用弦010-046 レギュラーチューニング 6弦1.8mm/1弦1.5mm で仕上げました。

電装系のチェックを行います。ピックアップセレクタースイッチの半田が外れかかっていたので修正しました。ポットやスイッチ、アウトプットジャックなどの増し締めをして、ボディを綺麗に磨き上げたら完成です。


[作業内容]

Aメンテナンス 7,000円

弦代金

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