ピックアップについて頂くご相談は、取り付け依頼がほとんどですが、何かの事情で取り外したいことや、別のタイプへ交換を希望されることもあります。

ボディ内部に貼り付けるタイプや、マグネットピックアップの場合は、比較的簡単に取り外しができますが、アンダーサドルピックアップの場合は、外した時のサドルの高さの変化(弦高の変化)への対応を考える必要があります。

実際の例を見ながら考えてみましょう。


Gibson L-00のブリッジです。サイドはBlack TUSQを使用しています。

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ピックアップはLR Baggs / ANTHEM SLを搭載しており、サドルの下にはElementが入っています。

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Elementの厚さはおよそ0.8mmです。

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ピックアップを抜いてサドル高が0.8mm低くなった状態で弦を張ってみました。12フレットの弦高が0.4mm下がり、ビビってしまって弾けません。

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木製のスペーサーを製作して、サドルに下に敷いて高さを維持する方法があります。費用を抑えることができます。

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新しいサドルを0.8mm高く製作する方法がスタンダードですね。

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白いTUSQにしたいというご希望もあったので、今回はサドルを製作して元の弦高をキープしました。

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上記にご紹介した2つの方法で、音がどのように変わるか、気になる方もおられると思います。

まず、スペーサーについては、元々ピックアップがあった部分がスペーサーに置き換わっただけですから、作業前と音は変わらないと言って良いと思います。

新しいサドルを製作する場合は、サドルとブリッジの間に介在するものが一つなくなるので、弦振動の伝達効率や音質が向上することを期待させます。

どちらの方法も理屈上は変化しないとは言えませんが、「気分が変わったから音も違って感じられる」程度のことなので、その他の都合を優先して決めて頂いて良いと思います。

アウトプットジャックを取り外したあとに残る、12mmの穴を塞ぐためのエンドピンもご用意しております。

[作業内容]

スペーサー製作 2,000円

サドル製作 4,000円~

取り外すピックアップによっては、別途工賃が必要になります。

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