1972年製のMartin / D-18をお預かりしました。

長く弾き込まれたギターだけが持つ雰囲気があります。

ネックの反りを調節するトラスロッドが備わる前の時代ですが、言い換えると、ネックが反らない前提でしっかり剛性を出している訳です。

この個体もネックコンディションは良好でしたので、その他の部分を見直して、快適に弾いて頂けるように調整していきます。合わせて、ライブで使用することを想定して、LR Baggs / Lyric を取り付けさせて頂きました。

弦高は、6弦3.0mm 1弦2.0mmで、特に6弦側が高めです。

まずは、サドルの高さを削っていきます。

微調整は手作業で。

サドルを戻したところです。

新しい弦を張る前にピックアップを取り付けます。

エンドピンジャックを設置するため12mmの穴をあけます。

ボディ内部からエンドピンジャックを引き出して、外からナットで締め付けます。

Lyricのコンデンサマイクは、ブリッジの裏側に両面テープで貼り付けます。

サウンドホールにボリュームコントロール、ボディ内部にバッテリーボックスを設置します。

ペグの六角ナットが緩んでいることが多いので、弦を張るときに増し締めします。

ナット溝を削り、ローポジションでの押さえやすさを調整します。

ナット溝を削る前後で、6弦が溝に収まっている様子を比較してみましょう。作業前は弦の上半分くらいがナットから出ています。作業後は少し深くまで弦が収まっており、その向こうに5弦が見えます。見た目にはわずかな差ですが、指先では確実に違いを感じられます。

枯れたヴィンテージギターの音をリアルに伝えることができるピックアップですので、人前でプレイされる機会がどんどん増えて、楽しみが広がるのではないかと思います。


[作業内容]

Aメンテナンス 7,000円

ピックアップ取り付け 4,000円

ピックアップと弦代金が別途必要です

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