109 Aメンテナンス&Lyric取り付け(Martin / D-18)
1972年製のMartin / D-18をお預かりしました。
長く弾き込まれたギターだけが持つ雰囲気があります。
ネックの反りを調節するトラスロッドが備わる前の時代ですが、言い換えると、ネックが反らない前提でしっかり剛性を出している訳です。
この個体もネックコンディションは良好でしたので、その他の部分を見直して、快適に弾いて頂けるように調整していきます。合わせて、ライブで使用することを想定して、LR Baggs / Lyric を取り付けさせて頂きました。
弦高は、6弦3.0mm 1弦2.0mmで、特に6弦側が高めです。
まずは、サドルの高さを削っていきます。
微調整は手作業で。
サドルを戻したところです。
新しい弦を張る前にピックアップを取り付けます。
エンドピンジャックを設置するため12mmの穴をあけます。
ボディ内部からエンドピンジャックを引き出して、外からナットで締め付けます。
Lyricのコンデンサマイクは、ブリッジの裏側に両面テープで貼り付けます。
サウンドホールにボリュームコントロール、ボディ内部にバッテリーボックスを設置します。
ペグの六角ナットが緩んでいることが多いので、弦を張るときに増し締めします。
ナット溝を削り、ローポジションでの押さえやすさを調整します。
ナット溝を削る前後で、6弦が溝に収まっている様子を比較してみましょう。作業前は弦の上半分くらいがナットから出ています。作業後は少し深くまで弦が収まっており、その向こうに5弦が見えます。見た目にはわずかな差ですが、指先では確実に違いを感じられます。
枯れたヴィンテージギターの音をリアルに伝えることができるピックアップですので、人前でプレイされる機会がどんどん増えて、楽しみが広がるのではないかと思います。
[作業内容]
Aメンテナンス 7,000円
ピックアップ取り付け 4,000円
ピックアップと弦代金が別途必要です