044ベースの基本調整(Hofner 500-1)
唯一無二の存在というのは、こういう楽器のことを言うのだと思います。ベーシストなら誰もが知る、ロックの礎を築いたモデルであることは疑いようがありません。
メンテナンスでお預かりしている期間中に、この楽器を目にした他のお客様から「少し触らせてほしい」「音を聴かせてほしい」と何度かお願いされました。預かりものなので弾いて頂くことはできませんが、ベーシストなら、機会があれば触れてみたい楽器のひとつだと思います。
まずは、全体的にクリーニングを進めていきます。
指板の汚れやフレットの錆を落とします。錆びたフレットと弦が擦れるとザラザラ音を出すため、音色や演奏性に影響が出ます。
チューニングの安定のため、ナット側もしっかりと手を入れていきます。
ピックアップやテールピースなどのメッキ部分は、軽く磨くと楽器全体の見た目が引き締まります。
ヘッドも汚れが溜まっていたので磨きました。ギター用ペグのようなサイズですね。
弦高は 4弦3.0mm 1弦2.6mm に設定。
ポット&スイッチ類の接点洗浄を行いガリノイズを改善し、アウトプットジャックは交換します。
ピックアップの高さバランスを整えサウンドチェックを行って作業終了です。
私のような並の自我では、楽器が持つ強烈な個性に引き寄せられます。その結果、試奏チェック時に”All My Loving”のベースラインを弾いて、ニヤリとすることくらいしかできませんでした。
[作業内容]
Aメンテナンス 5,000円
クリーニング 3,000円
電装系クリーニング&パーツ交換 2,000円