多くの方にとってギターを弾くのは余暇の楽しみだと思いますので、忙しく過ぎていく日々の中では、うっかりすると触れる機会を失うことがあります。

かくいう私も、休日にギターを手に取ることは少ないですし、読みたいと思って買った本も平積みされており、バイクにも数年乗っていません。

そんな、ほったらかしの趣味を「何とかしなきゃ(やらなきゃ)」と考えるのはやめましょう!

趣味が義務になり、楽しみではなくプレッシャーに感じてしまうからです。「やろうと思えばいつだって楽しめるんだ」という余裕を感じながら、それを糧にして日々を暮らすくらいが丁度いいと思います。


さて、ここにまたひとつ「やろう」のタイミングを迎えたギターをお預かりしました。

年単位で弾かれていないことが見て取れますが、また良い音を聴かせられるように状態を整えていきましょう。

調整前の弦高は、6弦2.2mm 1弦1.6mm でした。

ネックが少し逆反りしていましたので、トラスロッドを反時計回りに45度ほど回しました。

弦高を低くすると、細かなフレットの凹凸を拾ってビビリが出やすくなるので、予備的にフレットを擦り合わせます。

フレットの錆と指板の乾燥が目立っていたので整えていきます。

トレモロユニットの調整に移ります。初期状態はボディにベタ付け(アームダウンのみ)の設定でしたが、相談の結果フローティングにさせて頂くことになりました。

ボディ背面のスプリングを緩めて弦のテンションとの中立位置を探ります。

フローティングはこのような状態になりました。アームアップすると3弦がG→Aに上がるようになっています。

続けて、サドルの高さ(弦高)と前後(オクターブピッチ)を調整していきます。

このような並びになりました。

電装回路のチェックとスイッチやポット類の接点クリーニングを行います。

弦高が変わったのに合わせて、ピックアップの高さを調節します。

ピックアップはこのギターの特徴のひとつだと思います。一見すると3つのシングルコイルサイズのハムバッカーを搭載しているようですが、ネックとミドルポジションは、ハムキャンセル構造をもったシングルコイルのサウンドで、ブリッジピックアップだけがハムバッカーサウンドが得られるようになっています。

ナットを交換するほどの消耗はありませんでしたが、溝の深さのばらつきを修正します。

仕上がり弦高は、6弦1.7mm 1弦1.4mm になりました。

絶好調に仕上がりましたので、これから楽しんで弾いて頂けると思います。


[作業内容]

Bメンテナンス 13,000円

弦代金

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