Fernandesが70-80年代に製造していたFST(ストラトタイプ)は、様々な仕様の変遷がありながらも長く愛されたシリーズでした。

特に初期の製品は、一見するとFenderかな?と思ってしまうロゴだったりします。それだけ当時の日本では、輸入ギターに対する憧れが強かったんです。そんな事実を知ってしまうと、現在もブランド品の偽物を作っているような国の方たちのことを笑えませんね。

Fenderからクレームがあったという話もあり、中期は通称「石ロゴ」と呼ばれる本器のようなデザインに変更されます。

当時のFender社は、CBS社に売却されて以降の品質低下・業績不振の一途をたどっており、日本製のコピー商品の品質が優れていたため、日本製のギターにFenderブランドを付けて米国内で販売していた事もあります。

話が逸れましたが、当時の国産ギターのクオリティは、手本としたをものを上回るほど高かったことを知って頂けたら嬉しいです。


ギターの様子を見ていきましょう。

調整前の12フレット上の弦高は 6弦2.2mm 1弦1.3mm でした。6弦が高めで、1弦は低すぎてビビっています。

ネックが順反りしていたのでトラスロッドを約90度締めました。

つづいて、サドルの高さ調整を行います。錆びて固着しているネジもあったので、注油しながら作業します。

サドル上部に出ている六角ネジの長さから、調整後の方が低く設定していることがお分かり頂けると思います。

サドルを前後させてオクターブピッチを合わせます。1~3弦は12フレット 4~6弦は5フレットで合わせることをお勧めしています。

ナット溝の深さにばらつきがあったので、高さと形状を整えます。

弦高を下げた際に音詰まりがないように、フレットの擦り合わせを行いました。

12フレット上の弦高は、6弦1.8mm 1弦1.5mm に設定しました。

弦とピックアップまでの距離を調整して、各ピックアップのバランスをとります。

電装系は問題が無かったので、接点のクリーニングをして作業は終了です。


40年以上所有しておられると伺いましたが、どこにもガタは来ておらず現役バリバリのギターという印象でした。さらに40年は弾いて頂けますし、そのお手伝いをさせて頂ければ嬉しいです。

[作業内容]

Bメンテナンス 12,000円

弦代金

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