013Gibson Les Paulのフレット交換
980年製Gibson Les Paul Standardのフレット交換をご依頼頂きました。当時のGibsonが採用していた低く幅広のフレットから、高さのあるJim Dunlop 6100 へ大幅なサイズを変更となります。
オリジナルのフレットの様子。低くて幅広なことがお分かり頂けるでしょうか?
フレットを抜いた状態です。Gibsonは、バインディングにもフレットの形状に沿った凸部があるのが特徴です。この凸部がフレット両端を覆うことで、フレット両端をきれいに丸める手間を省略(切りっ放しで打ち込むだけでよい)する目的があります。
指板表面をきれいに整えます。新しいフレットとは高さが合わないので、バインディングの凸部も削って無くします。
JD6100(上)とGibsonオリジナル(下)のフレット形状を比較してみましょう。高さの違いがお分かり頂けますでしょうか?新品のフレットは長めに作られているので、指板の幅に合わせてカットして使います。
新しいフレットはバインディングの上に乗る部分があるので、バインディングの厚さ分だけフレットの足を切り取ります。また、フレットの端にはやや角度をつけて削っておきます。これを22本分用意します。
成形されて打ち込む用意ができたフレットと抜いたフレットです。バインディングの分だけフレットの長さが違います。
オリジナル > 交換後 > エッジ成型後
全フレットの交換を完了し、軽く擦り合わせをしたところです。フレットが高くなった分だけ弦との距離が近づいた(弦高が下がった)ので、このままではビビリが発生します。次の工程として、ナットとブリッジを高くする必要があります。
フレットの高さに合わせた新しいナットを製作しました。
いよいよ最終仕上げに向かいます。ブリッジの高さを変更したため、サドルのオクターブピッチやピックアップの高さの微調整も必要です。全フレット交換の場合は、付随する各部の調整は無料サービスにて行っています。これで新品同様のフレッシュな弾き心地が出来上がりです。
[作業内容]
フレット交換 22本 44,000円
ナット製作 4,000円
弦代金