Fenderの場合、1960 Stratocasterのようにモデル名に年式があると、その年の代表的なスペックを精巧に再現したヴィンテージレプリカであることを示します。

50年代のモデルは、メイプル1ピースネックを採用しており、力強いアタック感と芯の太いカリッと乾いたサウンドが特徴でした。59年から62年までの短期間は、厚みのあるローズウッド指板(スラブボード)を採用しており、角が取れたスムーズなサウンドに変化します。枯れた感じと艶やかさを併せ持っており、ヴィンテージ市場でも極めて人気の高い年式です。


お預かりした個体は、適度なレリック具合が良く似合うダコタレッドの97年製。

全体的には非常に良好な状態に保たれているように思いますが、ネックが順反りしており、特に高音弦のハイフレットに音詰まりがあります。

今回は、音詰まりや弾き心地の改善とともに、009-042から010-046へのゲージアップを提案させて頂きました。

作業前の弦高を確認すると、6弦2.1mm 1弦1.7mm です。 

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弦を010-046へ交換して一晩置きます。弦の張力が増したことで、ネックは少し順反りが強まります。弦高を確認すると、6弦2.3mm 1弦1.9mm でした。

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ネックの順反りを直していきます。ヴィンテージタイプのストラトキャスターは、ネックを外して作業するため、トラスロッドを調整しながらリアルタイムにネックの状態変化を確認できません。とりあえる目分量で45度締めてみて、ネックを取り付けてチューニングして確認したが、まだ軽く順反りがありました。もう一度ネックを外して、さらに45度締めたところで良い結果が得られました。

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サドルの高さとオクターブピッチを合わせていきます。トレモロは使用されないとのことで、ボディベタ付けとします。

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ナットの溝の深さも少し削り込んで、ローフレットの演奏性を高めます。

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1弦の10フレット以上で押弦やチョーキング時に音詰まりがあるので、ハイフレットを中心に擦り合わせを行います。

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調整後の弦高は、6弦1.8mm 1弦1.6mm です。調整前よりも弦高は低く、どのポジションでも均一な押さえ心地となり、音詰まりも解消しています。

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弦高を変更したので、ピックアップの高さも微調整してバランスをとります。最終フレットで弦を押さえて、ネックピックアップと弦の距離を規定値に合わせます。

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その後は、ネックピックアップ ミドルピックアップ ブリッジピックアップと切り替えながら、音を聴き比べてバランス良い高さを探っていきます。つまり、ピックアップのセッティングには、思いきり私の好みが反映されています。あらかじめご了承ください。

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[作業内容]

Bメンテナンス 12,000円

弦代金

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