ピックアップの位相について

エレキギター歴が長く、ピックアップやエフェクターなどの電気的な用語に触れる機会があると、位相という言葉を聞いたことがあるかもしれません。

Wikipediaによれば、『位相(英語 phase)とは、繰り返される現象の一周期のうち、ある特定の局面のことであり、波動などの周期的な現象において、ひとつの周期中の位置を示す無次元量でもある。』らしいです。

私と同様に、この文章を読むだだけで発疹が出そうになる方も多いと思いますので、ギターリストが知っておいて損がない情報だけをお知らせします。


とても乱暴に簡略化すると、『ピックアップには乾電池と同じようにプラス/マイナスがあるため、同時に2つ以上使用する時は向きを揃えましょう。』という話です。


乾電池のプラス/マイナスに該当するものが、ピックアップでは位相になります。


位相には、正位相と逆位相があり、単体でピックアップを鳴らすだけなら、どちらの位相で接続されていても問題なく同じ音がでます。


問題が起こるのは、位相がそろっていない2つのピックアップをミックスした時です。


2つのピックアップから出力されたプラスの音とマイナスの音がぶつかり、発生した音の大半を打ち消し合ってしまい、残りカスのような微妙な音になるのです。音量が小さくて、ペラペラ・スカスカの音です。


位相の確認方法と音の違いを動画でご確認ください。

ピックアップを見ても、乾電池のプラス/マイナスのように位相が書かれているわけではないので、購入される際やギターに取り付ける前には確認しなければなりません。アナログテスターは1,000円台で買えますので、ギターいじりが好きな方でしたら、持っておくことをお勧めします。

古典的なピックアップは位相が固定されていますが、リプレイスメントピックアップの多くは、位相を変更できる仕様が用意されています。

【おまけ】

4芯シールド線のハムバッカーピックアップは、各メーカーのワイヤー色が異なるので表にまとめました。

Seymour Duncanを例に挙げると、白と赤を結線することで2つのコイルが直列接続となりハムバッカーとして機能します。そして、黒をアウトプットへ、緑と裸線をグラウンドにつなぐのが通常の配線です。もし、他のピックアップとのミックス時にフェイズアウトしてしまうようなら、緑をアウトプットへ、黒と裸線をグラウンドへつなぐと位相を変更できます。

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